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ビリーフ(内なるルール)
ビリーフ(信念)は、自分自身のルールであり、自分を制限している概念である。
ビリーフが行動として表出された時に、その行動が自分自身に対して快、あるいは不可なな結果を作りだすものであれば、それが制限とな
る。
制限的な概念は、役に立つものと、役に立たないものがある。これらは、自分と自分以外の、4つのマトリックスとして働く。
ビリーフは過去のいつかに学習により獲得される。そのビリーフを獲得した時(原体験)の、感情は二次利得を形成する。
役に立たないビリーフは、制限や葛藤や矛盾を生み出す。
制限は選択肢を拡大する機会を失わせ、また自分自身のコントロールを奪うものとなる。
また、役に立つビリーフは、未来を構築し、行動する推進力として働く。
ビリーフを明らかにして変更するための方法を紹介する。
*信念の構造
概念(迷信の作り方)
ビリーフの構造
因果関係(原因と結果)
A [ cause / makes / leads / forces ] B
~だから~
・私はつまらない人間だから、悪いことばかり起こる
・雨が降るから、気分が悪い
・不景気だから、儲からない
・大声を出す人は、切れている
・あなたが泣くから、私は恥ずかしい
複合等価
A [ means / is equal to / is the same as ] B
~は~である
・ゾウは、動物である。
・雨は、恵みを意味する。
・浮気は悪である。
・男は狼である。
・言葉は魔物である。
*信念を作ることわざの例
制限/must
~しなければならない
~してはいけない
ビリーフの形成
・雨が降ったら、私は気分を悪くしないようにしなければならない
→雨が降ったら、私は気分をよくしなければならない
・私はつまらない人間だから、悪いことばかり起こる
→私はつまらない人間だから、悪いことばかりが起こらなければならない
→私はつまらない人間だらか、悪いことが起こらないようにしなければならない
・雨が降るから、気分が悪い
→雨が降ったら、私は気分を悪くしなければならない
→雨が降ったら、私は気分を悪くしないように我慢しなければならない
・ゾウは、動物である。
→ゾウは、動物でなければならない
→ゾウは、動物以外のものであるはずがない
・雨は、恵みを意味する。
→雨は、恵みでなければならない
→雨は、不幸をもたらすわけがない
Works(ビリーフ・チェンジ)
あなたのビリーフ構造の探求
*ワークシート(.pdf)
ビリーフは、いつもと異なる行動をした時に出てきます。
なので、信念を変えれば、行動が変わりまし。
項目
Ⅰ 目標と目的(願望)
1 (代弁)肯定的に変更
2 (代弁)目的・上位概念を明らにする
3 (質問)
肯定的意図
4 (質問)
未来予測(as if~)
5 (反論させる)誇張
6 (反論させる)反証を挙げる
7 (代弁と質問)
願望を明確にする
Ⅱ 結果
1 (質問)役に立つのかどうか検討する
2 (質問)
過去の体験の例外
3 (提案)バカバカしい未来の結果
Ⅲ 要因
1 (質問)
要因の過程
2 (質問)
誰か
Ⅳ 分解にチャレンジ
1 (質問と提案)
チャンクダウン
2 (質問と提案)
チャンクアップ
3 (質問と提案)
入れ替え
4 (質問と提案)
フレームサイズの変更、比較対象の変更
5 (質問と提案)
焦点を変える、水平チャンク、別の角度から見る
6 (質問と提案)
意味を変える、能動的に変更する(Ⅱ1)
7 (質問と提案)
価値基準クライテリアを変える、大事にしているものの変更
時間軸を先へと延ばすか、天の目で見る、存在の意味を考える
8 (質問と提案)
世界観の変更、他の文化での考え方(例外)
9 (質問と提案)
信念に信念を適応
例題
Ⅰ 3 肯定的意図
・そのビリーフは、何に役に立つのか?
(肯定的、主体的にしても、肯定的意図を導き出せます)
Ⅰ 4 未来予測(as if~)
・もしそれを行ったらどうなるのか?
・もしそれを行わなかったらどうなるのか?
Ⅰ 7 願望
願望を導き出す
①使役動詞を使った表現にする。
②具体的にする
③肯定的にする
④主体的にする
⑤必然性除法助動詞を使った表現にする
⑥主体的な願望を導き出す
雨降りだから、気分が憂鬱だ
→雨降りが私の気分を憂鬱にさせる
→雨が降ると、私は憂鬱にならなければならない
→天気に関わらず、気分をよくしたい/天気をコントロールして、私は私の気分をよくしたい
学生がうるさいから、授業ができない
→学生のうるささが、私の授業を妨げる
→学生がうるさいと、私は授業をしてはならない
→学生に関わらず、私は私に授業をしたい/学生をコントロールして、私は私の授業をしたい
私を見てくれないから、私を嫌いだ
→私を見てくれないことが、私のことを嫌いだと思わせる
→私を見てくれないと、私の事が嫌いだと思わなくてはならない
→私を見る見ないに関わらず、私のことを好きだと思いたい/私への視線をコントロールして、私は私を好きだと思いたい
私を見る見ないに関わらず、私をどう思っているのか知りたい
自由ではないから、自分ではいられない
→行動を制限されることが、私自身でいられなくさせる
→行動の制限は、自分のことを他人だと思わなくてはならない
→行動に関わらず、ありのままの自分でいたい/行動の自由を獲得して、ありのままの自分でいたい
どの表現がクライアントにフィットするのか、可能性を探し続ける
Ⅱ 2 過去の体験の例外
・そのビリーフに例外はないの?
・これまで一度も~はなかったのか?
Ⅲ 1 要因の過程
・どうして、それを知っているのか?
・いつから、それを知っているのか?
・どうやって(上手に)そのビリーフを作ったのか?
Ⅲ 2 誰か
・誰の意見?
・誰のせい?
Ⅳ 1 チャンクダウン
・クラスが悪いって、Mちゃんも、Sちゃんも悪いってこと?
・社会が悪いんだったら、あんたも悪いってことね?
Ⅳ 2 チャンクアップ
・夫がダメなんだったら、世の中の夫というものは全部ダメなの?
Ⅳ 3 入れ替え
・雨降りだから、気分が憂鬱だ。
→晴だったら、気分が良いわけ?
→気分が良いと、晴れてるってこと?
・私を見てくれないから、私を嫌いだ
→私を見たら、私を好きなわけ?
→私を好きな人は、私を見てるってこと?
・自由ではないから、自分ではいられない
→自由だったら、自分でいられるわけ?
→自分でいられたら、自由ってこと?
Ⅳ 4 フレームサイズの変更、比較対象の変更
・信号は守ならければならない。
→信号っていうか、交通ルールを守るんでしょ?(チャンクアップ)
・祭りの日は晴れなければならない
→熱帯雨林地域ではできへんなあ
・人付き合いは我慢しなければならない
→相手が殺人者でも我慢するの?
・マナーはちゃんとしなければならない
→ぼけ老人でも?
Ⅳ 5 焦点を変える、水平チャンク、別の角度から見る
・信号は守ならければならない。
→事故を未然に防ぐからね。
・祭りの日は晴れなければならない
→気分も晴れてなあかんもんな
・人付き合いは我慢しなければならない
→つまり、相手も我慢させるってこと?
・マナーはちゃんとしなければならない
→他人から見てもキレイやね
Ⅳ 6 意味を変える、能動的に変更する
・信号は守ならければならない。
→そうすることで、自分を認めたいんじゃないの?
・祭りの日は晴れなければならない
→雨だと手間が増えるからなああ、祭りだけに集中できるもんなあ
・人付き合いは我慢しなければならない
→我慢強い人でありたいわけかな。
・マナーはちゃんとしなければならない
→皆さんに気持ちよく居てほしいってことかもしれんねえ
Ⅳ 7 価値基準クライテリアを変える
・信号は守ならければならない。
→信号を守るってことより、機会を待つってことじゃないかなあ
・祭りの日は晴れなければならない
→といより、笑顔に輝きたい、ってこと?
・人付き合いは我慢しなければならない
→無駄な時間を作りたくないってことかしら
・マナーはちゃんとしなければならない
→相手をリードできるもんね
Ⅳ 8 世界観の変更
・妊娠中に辛い物はだめなんじゃないか
→韓国人はどうなる
Ⅳ 9 信念に信念を適応
・信号は守ならければならない。
→自分の心の信号を守ることの方が大事じゃないの?
・祭りの日は晴れなければならない
→だったらまず自分の心を晴れさせなければならんね
・人付き合いは我慢しなければならない
→役に立たんビリーフに我慢してもらったらどうなの。
・マナーはちゃんとしなければならない
→ビリーフチェンジのマナーもちゃんとしてください。
コーチングの方法
①したい事(願望)を明確にする
②上位概念(目的)を明確にする
③リソースを明確にする、肯定的に主体的にする過程で出てくる
④理想の結果を作る
⑤方法を検討する
Note
私たちは、出来事に対して何らかの意味をつけたがります。例えば、
・毎日豆腐を食べているから、健康である。
・仕事をしているから、若若しい。
・勉強したから、東大に合格した。
など「~だから~だ」と、原因と結果の「因果関係」となって、私たちは起こった出来事に意味づけをしたがります。
意味づけをすることによって、不確かな未来を、確かに生きようとする人間の学習機能であり、また知恵でもあります。
因果関係は、過去の出来事だけではなく、未来の出来事や、創造の出来事、気分感情など、私たちのあらゆる思考に及びます。
・ネコが耳をかいたから、明日は雨だ。
・あの空の色は、何か悪いことの前触れだ。
・こんなに頑張ったんだから、きっと良くなるに決まっている。
出来事に意味付けする事によって、私たち人間は、気分感情のコントロールまでしてしまいます。危険を回避するための必要な機能で
す。
・雨が降るから、気分が悪い。
・爽やかな風が吹くと、心まで爽やかになる。
・地震は、恐ろしい。
人間は、これらを出来事だけでなく、自分自身の在り方にまで適用してしまいます。
・私はつまらない人間だから、幸せにはなれない。
・怒られたから、自分はダメな人間なんだ。
・恋人が出来ないのは、こんな顔に生んだ親のせいだ。
因果関係を自分で採用すると、その採用した自分が正しいかどうかを確かめるために、さらにその証拠を無意識に探し続けます。
・私はつまらない人間だから、幸せにはなれない。
ー>レジでお釣りを間違えられた、やっぱりつまらない人間だ。
ー>電車が目の前で発車してしまった、やっぱりつまらない人間だ。
ー>誰も話しかけてくれない、やっぱりつまらない人間だ。
不思議なことに、例えそれが少々気分が悪いことであっても、自分の採用した考えが正しいと思うことと、これまで慣れ親しんだこと
が同 じように起こることが、人間の最も強い無意識の望みです。
役に立たない因果関係を信じている人は、自分が自分の人生をコントロール出来ない、と信じていることと、ほぼ等しいと言えます。
自分
で自分の人生をコントロールすることは不可能と信じている人は、未来に具体的な夢や希望を持ったり、自分で目標を立てたりすることが
出来ません。未来は誰かが、何かが与えてくれるものだと信じているからです。
役に立たない因果関係を採用し続けている人には、それを活用して、役に立つ新しい因果関係を提供すれば、それを採用して新しい未
来に 向かうきっかけにすることが出来ます。
焦点を本人のいいところに向ける
ー>レジでお釣りを間違えられた =>あなたに見とれてたんじゃないの?
ー>電車が目の前で発車してしまった =>次の電車で座れたじゃない。
ー>誰も話しかけてくれない =>あなたの相手じゃないわ。
焦点を未来の希望に向ける
ー>レジでお釣りを間違えられた =>宝くじが当たるかもしれないわ。
ー>電車が目の前で発車してしまった =>めったにないラッキーチャンスね。
ー>誰も話しかけてくれない =>1人の時間がたっぷりあるわね。
見えない力の恩恵、
ー>レジでお釣りを間違えられた =>厄払いね。
ー>電車が目の前で発車してしまった =>神様が守ってくれているのよ。
ー>誰も話しかけてくれない =>後光が差しているのよ。
新たな学習の機会
ー>レジでお釣りを間違えられた =>お金をに注意しろって合図かも。
ー>電車が目の前で発車してしまった =>時間配分を見直すキッカケね。
ー>誰も話しかけてくれない =>そろそろ話しかけてもいいんじゃない?