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  3. ビリーフ(内なるルール)

ビリーフ(内なるルール)


ビリーフ(信念)は、自分自身のルールであり、自分を制限している概念である。

ビリーフが行動として表出された時に、その行動が自分自身に対して快、あるいは不可なな結果を作りだすものであれば、それが制限とな る。
制限的な概念は、役に立つものと、役に立たないものがある。これらは、自分と自分以外の、4つのマトリックスとして働く。

ビリーフは過去のいつかに学習により獲得される。そのビリーフを獲得した時(原体験)の、感情は二次利得を形成する。

役に立たないビリーフは、制限や葛藤や矛盾を生み出す。
制限は選択肢を拡大する機会を失わせ、また自分自身のコントロールを奪うものとなる。

また、役に立つビリーフは、未来を構築し、行動する推進力として働く。
ビリーフを明らかにして変更するための方法を紹介する。

*信念の構造 概念(迷信の作り方)

ビリーフの構造


因果関係(原因と結果)

A   [ cause / makes / leads / forces ]  B
~だから~
・私はつまらない人間だから、悪いことばかり起こる
・雨が降るから、気分が悪い
・不景気だから、儲からない
・大声を出す人は、切れている
・あなたが泣くから、私は恥ずかしい

複合等価

A  [ means / is equal to / is the same as ]  B
~は~である
・ゾウは、動物である。
・雨は、恵みを意味する。
・浮気は悪である。
・男は狼である。
・言葉は魔物である。

*信念を作ることわざの例

制限/must

 
~しなければならない
~してはいけない

ビリーフの形成


・雨が降ったら、私は気分を悪くしないようにしなければならない
 →雨が降ったら、私は気分をよくしなければならない

・私はつまらない人間だから、悪いことばかり起こる
 →私はつまらない人間だから、悪いことばかりが起こらなければならない
 →私はつまらない人間だらか、悪いことが起こらないようにしなければならない

・雨が降るから、気分が悪い
 →雨が降ったら、私は気分を悪くしなければならない
 →雨が降ったら、私は気分を悪くしないように我慢しなければならない

・ゾウは、動物である。
 →ゾウは、動物でなければならない
 →ゾウは、動物以外のものであるはずがない

・雨は、恵みを意味する。
 →雨は、恵みでなければならない
 →雨は、不幸をもたらすわけがない

Works(ビリーフ・チェンジ)


あなたのビリーフ構造の探求
*ワークシート(.pdf)

ビリーフは、いつもと異なる行動をした時に出てきます。
なので、信念を変えれば、行動が変わりまし。

項目


Ⅰ 目標と目的(願望)

 1 (代弁)肯定的に変更
 2 (代弁)目的・上位概念を明らにする
 3 (質問)肯定的意図
 4 (質問)未来予測(as if~)
 5 (反論させる)誇張
 6 (反論させる)反証を挙げる
 7 (代弁と質問)願望を明確にする

Ⅱ 結果

 1 (質問)役に立つのかどうか検討する
 2 (質問)過去の体験の例外
 3 (提案)バカバカしい未来の結果

Ⅲ 要因

 1 (質問)要因の過程
 2 (質問)誰か

Ⅳ 分解にチャレンジ

 1 (質問と提案)チャンクダウン
 2 (質問と提案)チャンクアップ
 3 (質問と提案)入れ替え
 4 (質問と提案)フレームサイズの変更、比較対象の変更
 5 (質問と提案)焦点を変える、水平チャンク、別の角度から見る
 6 (質問と提案)意味を変える、能動的に変更する(Ⅱ1)
 7 (質問と提案)価値基準クライテリアを変える、大事にしているものの変更
          時間軸を先へと延ばすか、天の目で見る、存在の意味を考える
 8 (質問と提案)世界観の変更、他の文化での考え方(例外)
 9 (質問と提案)信念に信念を適応


例題


Ⅰ 3 肯定的意図

・そのビリーフは、何に役に立つのか?
(肯定的、主体的にしても、肯定的意図を導き出せます)

Ⅰ 4 未来予測(as if~)

・もしそれを行ったらどうなるのか?
・もしそれを行わなかったらどうなるのか?

Ⅰ 7 願望

願望を導き出す
①使役動詞を使った表現にする。
②具体的にする
③肯定的にする
④主体的にする
⑤必然性除法助動詞を使った表現にする
⑥主体的な願望を導き出す

雨降りだから、気分が憂鬱だ
→雨降りが私の気分を憂鬱にさせる
→雨が降ると、私は憂鬱にならなければならない
→天気に関わらず、気分をよくしたい/天気をコントロールして、私は私の気分をよくしたい

学生がうるさいから、授業ができない
→学生のうるささが、私の授業を妨げる
→学生がうるさいと、私は授業をしてはならない
→学生に関わらず、私は私に授業をしたい/学生をコントロールして、私は私の授業をしたい

私を見てくれないから、私を嫌いだ
→私を見てくれないことが、私のことを嫌いだと思わせる
→私を見てくれないと、私の事が嫌いだと思わなくてはならない
→私を見る見ないに関わらず、私のことを好きだと思いたい/私への視線をコントロールして、私は私を好きだと思いたい
 私を見る見ないに関わらず、私をどう思っているのか知りたい

自由ではないから、自分ではいられない
→行動を制限されることが、私自身でいられなくさせる
→行動の制限は、自分のことを他人だと思わなくてはならない
→行動に関わらず、ありのままの自分でいたい/行動の自由を獲得して、ありのままの自分でいたい

どの表現がクライアントにフィットするのか、可能性を探し続ける

Ⅱ 2 過去の体験の例外

・そのビリーフに例外はないの?
・これまで一度も~はなかったのか?

Ⅲ 1 要因の過程

・どうして、それを知っているのか?
・いつから、それを知っているのか?
・どうやって(上手に)そのビリーフを作ったのか?

Ⅲ 2 誰か

・誰の意見?
・誰のせい?

Ⅳ 1 チャンクダウン

・クラスが悪いって、Mちゃんも、Sちゃんも悪いってこと?
・社会が悪いんだったら、あんたも悪いってことね?

Ⅳ 2 チャンクアップ

・夫がダメなんだったら、世の中の夫というものは全部ダメなの?

Ⅳ 3 入れ替え

・雨降りだから、気分が憂鬱だ。
→晴だったら、気分が良いわけ?
→気分が良いと、晴れてるってこと?

・私を見てくれないから、私を嫌いだ
→私を見たら、私を好きなわけ?
→私を好きな人は、私を見てるってこと?

・自由ではないから、自分ではいられない
→自由だったら、自分でいられるわけ?
→自分でいられたら、自由ってこと?

Ⅳ 4 フレームサイズの変更、比較対象の変更

・信号は守ならければならない。
 →信号っていうか、交通ルールを守るんでしょ?(チャンクアップ)
・祭りの日は晴れなければならない
 →熱帯雨林地域ではできへんなあ
・人付き合いは我慢しなければならない
 →相手が殺人者でも我慢するの?
・マナーはちゃんとしなければならない
 →ぼけ老人でも?

Ⅳ 5 焦点を変える、水平チャンク、別の角度から見る

・信号は守ならければならない。
 →事故を未然に防ぐからね。
・祭りの日は晴れなければならない
 →気分も晴れてなあかんもんな
・人付き合いは我慢しなければならない
 →つまり、相手も我慢させるってこと?
・マナーはちゃんとしなければならない
 →他人から見てもキレイやね

Ⅳ 6 意味を変える、能動的に変更する

・信号は守ならければならない。
 →そうすることで、自分を認めたいんじゃないの?
・祭りの日は晴れなければならない
 →雨だと手間が増えるからなああ、祭りだけに集中できるもんなあ
・人付き合いは我慢しなければならない
 →我慢強い人でありたいわけかな。
・マナーはちゃんとしなければならない
 →皆さんに気持ちよく居てほしいってことかもしれんねえ

Ⅳ 7 価値基準クライテリアを変える

・信号は守ならければならない。
 →信号を守るってことより、機会を待つってことじゃないかなあ
・祭りの日は晴れなければならない
 →といより、笑顔に輝きたい、ってこと?
・人付き合いは我慢しなければならない
 →無駄な時間を作りたくないってことかしら
・マナーはちゃんとしなければならない
 →相手をリードできるもんね

Ⅳ 8 世界観の変更

・妊娠中に辛い物はだめなんじゃないか
 →韓国人はどうなる

Ⅳ 9 信念に信念を適応

・信号は守ならければならない。
 →自分の心の信号を守ることの方が大事じゃないの?
・祭りの日は晴れなければならない
 →だったらまず自分の心を晴れさせなければならんね
・人付き合いは我慢しなければならない
 →役に立たんビリーフに我慢してもらったらどうなの。
・マナーはちゃんとしなければならない
 →ビリーフチェンジのマナーもちゃんとしてください。

コーチングの方法


①したい事(願望)を明確にする
②上位概念(目的)を明確にする
③リソースを明確にする、肯定的に主体的にする過程で出てくる
④理想の結果を作る
⑤方法を検討する

Note


私たちは、出来事に対して何らかの意味をつけたがります。例えば、
・毎日豆腐を食べているから、健康である。
・仕事をしているから、若若しい。
・勉強したから、東大に合格した。

など「~だから~だ」と、原因と結果の「因果関係」となって、私たちは起こった出来事に意味づけをしたがります。

意味づけをすることによって、不確かな未来を、確かに生きようとする人間の学習機能であり、また知恵でもあります。

因果関係は、過去の出来事だけではなく、未来の出来事や、創造の出来事、気分感情など、私たちのあらゆる思考に及びます。
・ネコが耳をかいたから、明日は雨だ。
・あの空の色は、何か悪いことの前触れだ。
・こんなに頑張ったんだから、きっと良くなるに決まっている。

出来事に意味付けする事によって、私たち人間は、気分感情のコントロールまでしてしまいます。危険を回避するための必要な機能で す。
・雨が降るから、気分が悪い。
・爽やかな風が吹くと、心まで爽やかになる。
・地震は、恐ろしい。

人間は、これらを出来事だけでなく、自分自身の在り方にまで適用してしまいます。
・私はつまらない人間だから、幸せにはなれない。
・怒られたから、自分はダメな人間なんだ。
・恋人が出来ないのは、こんな顔に生んだ親のせいだ。

因果関係を自分で採用すると、その採用した自分が正しいかどうかを確かめるために、さらにその証拠を無意識に探し続けます。
・私はつまらない人間だから、幸せにはなれない。
ー>レジでお釣りを間違えられた、やっぱりつまらない人間だ。
ー>電車が目の前で発車してしまった、やっぱりつまらない人間だ。
ー>誰も話しかけてくれない、やっぱりつまらない人間だ。

不思議なことに、例えそれが少々気分が悪いことであっても、自分の採用した考えが正しいと思うことと、これまで慣れ親しんだこと が同 じように起こることが、人間の最も強い無意識の望みです。

役に立たない因果関係を信じている人は、自分が自分の人生をコントロール出来ない、と信じていることと、ほぼ等しいと言えます。 自分 で自分の人生をコントロールすることは不可能と信じている人は、未来に具体的な夢や希望を持ったり、自分で目標を立てたりすることが 出来ません。未来は誰かが、何かが与えてくれるものだと信じているからです。

役に立たない因果関係を採用し続けている人には、それを活用して、役に立つ新しい因果関係を提供すれば、それを採用して新しい未 来に 向かうきっかけにすることが出来ます。

焦点を本人のいいところに向ける
ー>レジでお釣りを間違えられた =>あなたに見とれてたんじゃないの?
ー>電車が目の前で発車してしまった =>次の電車で座れたじゃない。
ー>誰も話しかけてくれない =>あなたの相手じゃないわ。

焦点を未来の希望に向ける
ー>レジでお釣りを間違えられた =>宝くじが当たるかもしれないわ。
ー>電車が目の前で発車してしまった =>めったにないラッキーチャンスね。
ー>誰も話しかけてくれない =>1人の時間がたっぷりあるわね。

見えない力の恩恵、
ー>レジでお釣りを間違えられた =>厄払いね。
ー>電車が目の前で発車してしまった =>神様が守ってくれているのよ。
ー>誰も話しかけてくれない =>後光が差しているのよ。

新たな学習の機会
ー>レジでお釣りを間違えられた =>お金をに注意しろって合図かも。
ー>電車が目の前で発車してしまった =>時間配分を見直すキッカケね。
ー>誰も話しかけてくれない =>そろそろ話しかけてもいいんじゃない?